相談事例

CASE

所在不明株主に関する会社法の特例について教えてください。

2022.1   山上 の回答

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)」の改正が2021年8月2日に施行され、同法第15条に「所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例」が新設されました。

株主名簿に記載があるものの相続等を経て所在が不明となった株主(以下、「所在不明株主」といいます。)が存在する場合、所在不明株主の存在を解消するために会社法第197条に基づく株式の競売等の手続きが定められていますが、この手続きを利用するためには、所在不明株主に対して行う通知又は催告が到達しない期間及び所在不明株主が配当剰余金を受領しない期間が「5年以上継続」していることが必要でした。この「5年」という期間の長さが高いハードルとなり、事業承継の際、手続きの利用に困難が生じておりました。

そこで、今般、上記困難を解消すべく特例が設けられ、経営承継円滑化法第12条に規定する都道府県知事の認定を受けた非上場の中小企業者においては、上記「5年」の期間が「1年」に短縮されることとなりました。

《会社法(認定を受けない場合)》 現行手続き

5年以上の通知・催告不到達及び配当金不受領

決議(株主総会又は取締役会)

3月以上の公告及び個別催告(会社法)

裁判所における売却許可

株式売却又は自社買取り

《特例法(認定を受けた場合)》 新設手続き

1年以上の通知・催告不到達及び配当金不受領

決議(株主総会又は取締役会)

3月以上の公告及び個別催告(特例法)

3月以上の公告及び個別催告(会社法)

裁判所における売却許可

株式売却又は自社買取り

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