相談事例

CASE

【民法大改正】契約解除の変更点を教えてください。

2019.1 松尾 の回答

1)契約解除の要件

相手方と契約を結んだものの、相手が契約どおりの約束を果たしてくれない場合、債権者は契約を解除することができますが、どんな場合でも解除できるわけではなく、一定のルールがあります。2020年(令和2年)4月1日から施行される改正民法では、契約を解除する際のルールが一部変わります。

現行の民法では、契約解除の要件として、①債務の履行がない(約束した義務を果たさない)こと、②債務者の帰責事由(故意や過失などの落ち度)、③債務者への履行の催告の3つが原則必要でした。

改正後は、①債務の履行がないこと、②債務者への履行の催告の2つとなり、「債務者の帰責事由」は不要となりました。これには、期限が来ても約束が果たされないケースでは、当事者を契約関係から解放し、新しい相手を見つける方が良いという考えがあるようです。

2)軽微な不履行では解除できません

しかし、相手に催告したにも関わらず、その期間内に履行がない場合でも、その内容が契約全体から見て軽微な場合や数量的にごく僅かである場合、催告解除は認められません。これは、「約束違反の程度が軽微な場合は催告解除することができない」との判例が出されており、この考え方が民法に反映されたものです。なお、義務違反の程度が軽微かどうかについては、当該契約の内容や社会通念に照らして判断されます。

3)催告することなく解除できる場合もあります。

契約を解除するには、相手への催告が要件になっていますが、例外的に催告することなく直ちに解除できる場合もあります。「相手が債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合」「債務の全部の履行が不能となった場合」などは、相手に催告をすることなく契約を解除できます。また、契約の性質上、特定の日時又は一定の期間内に履行されなければ目的を達成することができない場合において、「相手が債務の履行することなくその時期を経過したとき」も催告不要で解除できます。例えば、お正月のおせち料理を注文したものの、届かないままお正月を過ぎてしまった場合、催告をしてもおせち料理を注文した目的が達成できないことは明らかですから、このような場合も催告することなく解除できると思われます。

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