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法定相続情報証明制度について教えてください。

2017.7 山上 の回答

○ 法定相続情報証明制度とは?

相続登記がなされず放置される空き家が増加して問題(故人名義のままでは不動産を売却できないため)となっていることから、相続登記を促進するため2017年(平成29年)529日から運用が開始された制度です。

①戸籍・除籍謄本等(以下、「戸籍等」といいます。)を収集し法定相続情報一覧図(被相続人の氏名、最後の住所、相続人の氏名、住所、続柄の情報を記載したもの。)を作成し、②法務局に保管を申し出ることで、③以後5年間は無料で法務局の認証がある法定相続情報一覧図の写し(以下、「法定相続情報証明書」といいます。記載例をご参照ください。)の交付を受けることができます。

 

○ 何に使えるのでしょうか?

これまでは、相続による不動産の登記申請をする際、被相続人(亡くなられた方)が複数の不動産を複数の市町村に所有していた場合、各不動産を管轄する法務局ごとに被相続人の出生から死亡までの戸籍等を提出する必要がありました。相続人が多ければ十数通から数十通の戸籍等を提出しなければなりません。通常、費用を考えて、一ヶ所の法務局の登記が終わって戸籍等が返却されてから次の法務局にそれらを添付して申請するという方法を取ってきました。今後は、法定相続情報証明書だけを提出すればいいので、同時に複数の法務局に申請が可能となります。また、登記官も法定相続情報証明書が添付されていれば戸籍等を確認する負担が軽減されます。

また、法定相続情報証明書は、相続登記以外でも被相続人名義の預金の払戻し等の相続手続にも利用が予定されています。例えば、複数の金融機関に口座を持っている被相続人の相続手続においては、上記と同様、金融機関ごとに戸籍等の束を提出する必要がありましたが、この制度を利用すれば、法定相続情報証明を無料で必要数取得できますので、簡単に手続を進めることができます。

○ 入手方法は?

申出ができる人は、被相続人の相続人に限られ、代理人となることでできるのは申出人から委任を受けた①民法上の親族、②弁護士、司法書士等の資格者に限られています。申出はどこの法務局にでもできるのではなく①被相続人の本籍地、②被相続人の最後の住所地、③申出人の住所地、④被相続人名義の不動産の所在地、のいずれかの法務局でなければなりません。

上記の法務局に申出書と法定相続情報一覧図(手書きでも明瞭に判読できれば可)、戸籍等の添付書面を提出し(郵送も可)、登記官の確認を受け法定相続情報証明書の交付を受けます。手数料は無料で、再交付も可能です(ただし、当初申出をした申出人に限られ、他の相続人が再交付を希望する場合には当初の申出人からの委任が必要)。

○ 注意点はありますか?

法定相続情報証明書は名前の通り法定相続人を明らかにするのが目的なので、相続放棄や遺産分割で実際に相続人とならない方も一覧図には載り、相続放棄申述受理証明書や遺産分割協議書等により相続人でないことの証明はしなくてはなりません。

また、数次相続(例:Aが亡くなり、Aの子Bも亡くなり、Bの子C(Aの孫)へ相続)の場合、法定相続情報一覧図として提出できる範囲は、亡Aに関してはAの子であるBまでであり、Cまでを1枚の一覧図にまとめることはできません(この場合は、Aの一覧図とBの一覧図の2枚となります)。

さらに被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど、戸除籍謄本等を添付することができない場合には、本制度を利用できません。

 

法定相続情報証明制度が今後様々な機関で利用が可能になれば、相続手続きの促進に繋がっていくと思われます。

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