相談事例
CASE
2026.1 田代
在留資格「経営・管理」の許可基準が改正され、令和7年10月16日に施行されました。改正の背景には、本来の制度趣旨から逸脱した不正利用が増加したこと、国際的な基準と比較して要件が緩すぎたこと、そして事業の実態が伴わない「ペーパーカンパニー」の増加や社会保障制度への過度な負担を抑制する必要性から省令の改正が行われました。
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改正前 |
改正後 |
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①資本金・出資額 |
500万円 |
3000万円 |
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②経歴・学歴(経営者) |
なし |
経営・管理経験3年以上(注2)又は経営管理若しくは経営する事業分野に関する修士相当以上の学位を取得していること |
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③雇用義務 |
なし(資本金の代替要件として2名以上の雇用要件) |
1名以上の常勤職員の雇用を義務付ける。(注3) |
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④日本語能力 |
なし |
申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること(注4) |
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⑤在留資格決定時における専門家の確認 |
なし |
新規事業計画について経営に関する専門的な知識を有する者の確認を義務付ける。(上場企業相当規模の場合を除く) |
(注1)既に在留中の者には施行後3年を経過した後の在留期間更新許可申請時以降は、原則として改正後の上陸許可基準への適合を求める。
(注2)「経営・管理」経験には、在留資格「特定活動」に基づく起業準備活動を含む。
(注3)「常勤職員」には、法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除くこととされており、対象は、日本人、特別永住者及び法別表第二の在留資格をもって在留する者(「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」)となる。
(注4)相当程度の日本語能力として、CEFR・B2相当等を想定している。なお、ここでいう「常勤職員」の対象には、法別表第一の在留資格をもって在留する外国人も含まれる。
■参考:法別表第一の在留資格
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外 交 |
公 用 |
教 授 |
芸 術 |
宗 教 |
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報 道 |
高度専門職 |
経営・管理 |
法律・会計業務 |
医 療 |
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研 究 |
教 育 |
技術・人文知識・国際業務 |
企業内転勤 |
介 護 |
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興 行 |
技 能 |
特定技能 |
技能実習 |
文化活動 |
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短期滞在 |
留 学 |
研 修 |
家族滞在 |
特定活動 |
出典:出入国在留管理庁HP
①施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの間に在留期間更新申請を行う場合については、改正後の許可基準に適合しない場合であっても、経営状況や改正後の許可基準に適合する見込み等を踏まえ、許否判断が行われます。なお、審査においては、経営に関する専門家の評価を受けた文書の提出を求められることがあります。
②施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新申請については、改正後の許可基準に適合する必要があります。
(注)改正後の許可基準に適合しない場合であっても、経営状況が良好であり、法人税等の納付義務を適切に履行しており、次回更新時までに改正後の基準を満たす見込みがあるときは、その他の在留状況を総合的に考慮し、許否判断が行われます。
③「高度専門職1号ハ」(「経営・管理」活動を前提とするもの)についても「経営・管理」の許可基準を満たすことが前提となることから、上記と同様の取扱いとなります。
施行日後、改正後の許可基準に適合していない場合は、「経営・管理」、「高度専門職1号ハ」又は「高度専門職2号」(「経営・管理」を前提とするもの)からの永住許可及び「高度専門職1号」から「高度専門職2号」への在留資格変更許可は認められません。
主な改正点について記載しましたが、J-Findや外国人起業促進事業(スタートアップ)等の「特定活動」から最終的に「経営・管理」への資格変更を伴う制度についても新基準への適合が求められています。また、正当な理由なく長期間の出国についても在留期間更新許可が認められなくなりますので要注意です。